日本(岩手県)の岩泉にある龍泉洞は、日本で最も印象的な自然の驚異のひとつである。日本三大鍾乳洞のひとつとされ、1938年に国の天然記念物に指定された。そのユニークさは、その壮大な大きさと透明な地底湖だけでなく、その暗い奥深くに生息する生きた生態系にもある。
ターコイズブルーに輝く龍泉洞地底湖
龍泉洞は5,000メートル以上あり、そのうち約3,600メートルが探検されている。そのうちの約700メートルが見学可能で、それぞれにユニークな深さと個性を持つ3つの地底湖がある:
- 最初の湖は深さ35メートルで、1930年代から公開されている。
- 2番目の湖は深さ38メートルで、1962年に発見された。
- 三番目の湖は深さ98メートルで、観光客が利用できる最も深い湖である。
- 4番目の湖は深さ120メートルで、日本で最も深い地底湖であり、世界で最も透明度の高い湖のひとつである。ただし、一般公開はされていない。
湖の水は透明度が高く、ミネラルをたっぷり含んでいるため、鮮やかなターコイズブルー色をしている。水中ライトが水底を照らし、神秘的な雰囲気を醸し出している。
洞窟の住人:コウモリと微生物
龍泉洞には、以下のようなコウモリが生息している:
- オオカブトコウモリ
- 小カブトコウモリ(Rhinolophus cornutus cornutus)
- オオコウモリ(Myotis macrodactylus)
- ニホンオオコウモリ
- ツチコウモリ
これらの種の中には、夏を森林で過ごし、冬は洞窟にこもるものもいる。冬の間、コウモリが休眠状態で天井からぶら下がっているのを見ることができる。
また、洞窟内には、コウモリに生える菌類を餌とするオオキンケイギク(Aphoromma nuda Yosii)などの微生物や、洞窟の生態系に重要な役割を果たす様々な種類の菌類が生息している。
アクセス方法と見どころ
龍泉洞は岩手県の奥地にあり、盛岡駅からJR東北バスで行くことができる。所要時間は約2時間15分。料金は片道約2,660円で、ジャパンレールパスが適用される。
鍾乳洞の見学は約30分で、橋や階段を歩き、地下の川、鍾乳石や石筍、3つの湖を通る。洞窟内には安全に見学できる設備が整っているが、歩きやすい靴を履き、多少の登り坂は覚悟しておくことをお勧めする。
旅行者へのアドバイス
- ベストシーズン:4月から11月。
- 持ち物:履きなれた靴、暖かい服装(洞窟内の気温は約10~15℃)、写真用カメラ。
- 洞窟の近くには新・龍泉洞サイエンスセンターがあり、洞窟に住んでいた人々の生活について学んだり、考古学的な発掘品を見ることができる。
龍泉洞は、地質学的な驚異であるだけでなく、隅々まで何百万年もの秘密が隠されている、生きた自然の博物館でもある。この洞窟を訪れれば、忘れられない印象を残し、地球の太古の歴史に触れることができるだろう。