富士山の何千年にもわたる噴火と溶岩流は、夏でも凍った巨大な氷の塊を見ることができる天然の洞窟を作り出した。現在、コウモリ洞窟、氷の洞窟、鳴沢風穴の3つの壮大な洞窟が一般公開されている。河口湖駅からタクシーかバスで行くことができる。
鳴沢氷穴は、一年中気温が0度を超えない氷の洞窟で、真夏でも氷の塊を見ることができる。比較的小さな洞窟(全長153メートル)を歩くのに10分ほどかかる。洞窟内の氷は自然に形成されたもので、地下の湧き水が岩の割れ目から流れ込んでいる。 冬になると水は凍り、その結果、長さ27メートル、幅数メートルにもなる大きな氷の石筍や鍾乳石が形成される。洞窟に下りるときは細心の注意が必要だ。階段はかなり濡れていて滑りやすいが、道中では頑丈な竹の手すりに寄りかかることができる。 天井はかなり低いので、腰をかがめる覚悟が必要だ。
サイコー(コウモリ洞窟)は3つの洞窟の中で最も大きく、全長350メートルもある。年間を通して気温は0度を下回らず、冬でも比較的暖かいため、かつてはコウモリのコロニー全体が生息していた。残念ながら、人間が環境に悪影響を与えた結果、コウモリの数は激減してしまった。現在、コロニーを復活させるためにあらゆる努力が払われている。
富嶽(「風の洞窟」)は溶岩洞窟で、氷の洞窟と同様、気温は0℃かそれ以下である。洞窟内には木製の貯蔵棚が保存されている。洞窟の中には、864年の火山噴火によってできた鍾乳石や溶岩が凍った岩がある。